「子育てはBPD発病に影響を与えるのか」問題について考えるーその4ー
行動遺伝学の10大知見の中で、今回取り上げるのは以下の項目である。 『環境の指標と心理学的特性との間にみられる関連の大半には、統計学的に有意な遺伝的要因の媒介がみられる。』 前回に説明したよう
「子育てはBPD発病に影響を与えるのか」問題について考えるーその3ー
行動遺伝学の10大知見のうち、次に注目すべきは以下の項目だろう。 『<環境>のほとんどの評価尺度に対して、統計学的に有意な遺伝的影響が認められる』 これは遺伝学研究がもたらした、最も驚くべき知
「子育てはBPD発病に影響を与えるのか」問題について考えるーその2ー
行動遺伝学の10大知見は、まずこの項目から始まる。 『全ての心理学的特性には、統計学的に有意で大きな遺伝的影響がみられる』。 これは知能、精神病理、パーソナリティ、薬物乱用といった、文字通りあ
「子育てはBPD発病に影響を与えるのか」問題について考えるーその1ー
境界性パーソナリティ障害(BPD)の発病に対して、親の子育ての仕方は何らかの形で関与しているのだろうか。 これは患者自身だけでなく、家族にとってとりわけ気になる問題だろう。 BPD患者が、子育
BPDは年齢によりどのように変化していくかーその2ー
さて境界性パーソナリティ障害(BPD)患者の心理社会的能力は年齢と共にどのように変化していくのだろう。 前回も述べたように、たとえ一部とはいえ症状が改善していくことは間違いないのだから、心理社
BPDは年齢によりどのように変化していくかーその1ー
これまで境界性パーソナリティ障害(BPD)を含むパーソナリティ障害の基本的な特徴の1つは、その持続性であると考えられてきた。 たとえばDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き 第5版)の、パー