BPD治療の落とし穴
境界性パーソナリティ障害(BPD)の患者を、週にどれほどの頻度で診察するのが適切なのかは、昔からしばしば問題にされてきたテーマである。 精神分析の影響が強かった時代には、週に2回、あるいは3回
BPDの予後を予測する因子は何かーその2ー
ザナリーニの定義した「極めて良い回復(excellent recovery)」に該当する、GAFスコア71点以上の心理社会的機能を示す人物の説明は以下のようなものである。 『症状があったとして
BPDの予後を予測する因子は何かーその1ー
境界性パーソナリティ症(BPD)が示す転帰(疾患の治療における症状の経過や成り行き)にはさまざまなものがある。 どのような場合に良い転帰を示し、どのような場合にそうでないかを知りたいのは患者自
思春期におけるBPDーその2ー
前回の復習から入ろう。 感情不安定性や自己イメージあるいはアイデンティティの障害といったBPD(境界性パーソナリティ障害)に特徴的な症状は、たとえ思春期の子どもであっても、決して一般的にみられ
思春期におけるBPDーその1ー
今回は小児期あるいは思春期における境界性パーソナリティ障害(BPD)というテーマについて扱うことにする。 このように書くと、それだけで戸惑う人もいるかも知れない。 パーソナリティ障害とは、そも
BPDが「寛解しているけれど、回復していない」とはどういう状態かーその3ー
ミズC(その後の経過) フォローアップ研究(MSAD)開始から10年以上が過ぎていた。 今では40台も間近となったミズCにみられる症状は、経験を回避する傾向や過度の依存傾向に関連したものだけに