よくある質問

Q家族も協力して治していくということですが、具体的にはどういうことでしょうか。
A

当院では家族の方に出来る限り面接に参加してもらうようお願いするだけでなく、患者さんと生活する中で気付いたこと、気になったことを記録してもらうようお願いしています。
家族の方に積極的に治療に関わりを持ってもらう理由は、BPD患者が持つ社会的能力の不全にまつわる問題を、個人面接という特殊な環境の中で詳細に観察することは極めて難しいためです。
なぜならこうした問題は、日常生活を送る中で認められる患者の何気ない言動を、他人の目で注意深く観察しない限り明らかになってこないからです。
このような方法で問題を明らかにした上で、家族の方の協力のもとに治療的介入をおこなっていくことになります。
詳しくは「治療者と家族のための境界性パーソナリティ障害治療ガイド(黒田章史著、岩崎学術出版)」を読んでいただけると良いかも知れません。

Qどれくらいの期間の通院が必要なのでしょうか。
A

患者さんによっても違うので一概には言えませんが、一応3年程度を目安にしてもらうと良いかも知れません。
3年というと長く感じるかも知れませんが、もちろん初診時と同じ状態が3年間続いた末に、突如として良くなるわけではありません。
むしろBPDの治療では、同じパターンをずっと繰り返しているように見えながらも、悪い状態に陥る頻度やその程度、そして回復力が少しずつ改善していくという、らせん階段を昇っていくような形で改善が生じるのが特徴と言って良いと思います。
例えばらせん階段を上り続けて、ふと下を覗いて見たら、1年後には1年分の、2年後には2年分の高さまで昇っていて、3年ほどするとそれほど治療を必要としない地点にまで到達していた、というイメージでしょうか。