- Q色々なクリニックに行ったのですが、それぞれ違うことを言われるので、どうすれば良いかわかりません。「治ること」に関して何を目安にしたら良いのでしょうか。
- A
BPDで「治す」べき症状にはさまざまなものがあります。自傷行為や自殺企図などの衝動的傾向、感情が不安定で怒りっぽいこと、対人関係でトラブルが生じやすいこと、さらにストレス下で一時的に精神病を思わせるような症状が出現することなどは、その中でも代表的なものと言って良いでしょう。
確かにこれらの症状を改善することも重要ではあります。しかしこれらの症状のほとんどは、専門的な治療を受けることがなくとも、10年ほど経過を追う内には改善されてしまうものなのです。
そしてこれらの症状のほぼ全てが改善された後でも、BPD患者の大半は社会生活を充分に送れるようにはなりません。
これがいかに深刻な事態であるかを想像してもらうと、社会的能力を改善させることに全力を注ぐという当院の方針に納得していただけるのではないでしょうか。