- Q家族も協力して治していくということですが、具体的にはどういうことでしょうか。
- A
当院では家族の方に出来る限り面接に参加してもらうようお願いするだけでなく、患者さんと生活する中で気付いたこと、気になったことを記録してもらうようお願いしています。
家族の方に積極的に治療に関わりを持ってもらう理由は、BPD患者が持つ社会的能力の不全にまつわる問題を、個人面接という特殊な環境の中で詳細に観察することは極めて難しいためです。
なぜならこうした問題は、日常生活を送る中で認められる患者の何気ない言動を、他人の目で注意深く観察しない限り明らかになってこないからです。
このような方法で問題を明らかにした上で、家族の方の協力のもとに治療的介入をおこなっていくことになります。
詳しくは「治療者と家族のための境界性パーソナリティ障害治療ガイド(黒田章史著、岩崎学術出版)」を読んでいただけると良いかも知れません。